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ヴォネガットとマーロウ [日誌]

前回、ヴォネガットの名前が出ましたが、
ヴォネガットに初めて出逢ったのは映画を通して、でした。

中学生の頃見た、フットルースという映画です。

教会の強い影響下にある田舎町が舞台で
有害図書として槍玉にあがっていたのが
ヴォネガットの「スローターハウス5」でした。

頑迷な大人たちは四文字言葉が頻出するという理由で
有害だと決めつけますが、会話の経緯を知らない主人公のレンは
スローターハウス5の名前が出たので
素直に「名作ですよ」と笑顔で答えて周囲の空気を凍りつかせます。

フットルースに出て来たあの小説が読みたい、と書店に走り、
以来、カート・ヴォネガットを読みあさる事となりました。
同世代で、同様のヴォネガットとの出逢い方をした人は
多いんじゃないかなと思います。

ヴォネガットを読んでから村上春樹のデビュー作を読んだので
なんだコイツ!と憤ったものです。
でもまぁ、最初は憧れの作家の模倣から始まるものだしなぁ、
と、思い直す事にしてたんですが、
最近、チャンドラー作品を新訳し始めたので
改めて、なんだコイツ!と憤りました。
売れっ子作家は、やりたい放題ですか。
そうですか。
これがキャピタリズムって奴ですか。
資本主義のイロハって奴ですか。
アンジーの「蠅の王様」ですか。
アンジーの水戸華之介が「ワンピース」のゾロのモデルだと思ってるのは
私だけですか。
…… 。
なんだかヴォネガットが出て来たので
色んな事を思い出しました。

ヴォネガットもアンジーも、手元にはありません。
チャンドラーだけは今も本棚にあります。
「長いお別れ」は、手放さずにいる唯一の小説です。


チャンドラーにさよならをいう方法は、まだ発見されていません。

マーロウを気取ってみました。




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