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説明台詞とお盆休み [シナリオ作法]

前回、説明台詞について書きましたが
脚本を書く上で、状況説明等は、どうしても必要になるものです。

説明台詞が多いとつまらないものになるのは明白で、
なるべく減らしたいと思うのは山々ですが
説明シーンが無いと何がなんだかわからなくなってしまいますよね。

そこで、説明シーンについて、よく言われるのが
「面倒な説明はアタマに持って来い」 です。

状況設定等の説明シーンは、ゲームのルール説明のようなものです。
途中でルールが変わってしまってはゲームを楽しめませんし、
後からルールを付け足されても、ゲームが複雑化するだけで
面白くなるかどうかは、また別の話です。

それに設定に関する説明シーンを後から入れると、
ご都合主義だと言われがちですので、
なるべくアタマの方でやっておくべきなんです。

状況設定の為の説明シーンは必須ですが、
だからといって、そのシーンを説明台詞で埋めてしまっては
つまらないものになってしまいます。
どんな時でも、わざとらしい説明台詞は回避した方がいいですよね。

そんな時は、トライとリアクションを意識して下さい。
台詞のトライとリアクションとは、
 A「おう、元気か?」  …これが(トライ)で
 B「元気なわけねーだろ」 …これが(リアクション)です。

で、如何にもな説明台詞の場合、
 A「おう、お前最近カノジョと別れたらしいけど、元気か?」
 B「元気なわけねーだろ」
と、いう風になります。トライで状況を説明してしまってます。
Bの状況を説明する台詞で会話が始まっていて、
何だか、ちょっと不自然ですよね。
そこで、
 A「おう。…元気か?」
 B「フラれたばっかで元気なわけねーだろ」
という風にすると、ちょっと不自然さがなくなります。
説明部分をリアクションに組み込むといいんですね。

 A「これは伝説の銀河烈風剣の在処を示す巻物だ」
 B「おお!スゴい!!」
と、するよりも
 A「これは、もしや伝説の…」
 B「ああ。銀河烈風剣の在処を示す巻物だ」
てな感じにすると、多少は不自然さが消えてくれます。

推理もの、刑事もの等はどうしても説明が多くなるので 
説明台詞臭さを拭いきるのは難しいですが
なるべくなら自然な台詞回しを目指していきたいと思ってます。

さて、世間ではお盆休み真っ最中ですなぁ。
私はそんな事1ミリも関係なく仕事をしております。
息子はそんな事情は1ミリも知らないので
「夏休みまだかなぁ」なんて言ってて戦々恐々としてたのですが
妻方のジィジとバァバが「泊まってっていいよ」と言ってくれたので
息子も急遽夏休み。遠慮なく数日間、泊めてもらう事にしました。
妻も仕事がありますので、今、息子は一人でお泊まりしております。

いつもは、「いい加減静かにしてくれ」と言ってますが
彼がいないと静か過ぎて、何だか寂しいです。
叱る回数以上に、笑顔にしてもらってた事に気づかされました。

ひまわり.jpg
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ロールケーキと説明台詞 [シナリオ作法]

ロールケーキって一時、表舞台から引いてた感がありましたが
何がきっかけなんだか復活して、グイグイ前に出てきてます。
今や、デパ地下やコンビニでもロールケーキ置いてありますよね。

ロールケーキ好きとしては嬉しい限りです。

デパ地下などでよく見るフルーツたっぷりものとか
コンビニで見かけるお一人様用プレミアム系とかも美味しいですが
今、どんなロールケーキ食べたいって聞かれたら
幼い頃から慣れ親しんだ、スイスロールが食べたいです。
スイスロール.jpg
シンプルなのがいいですなぁ。
ロールケーキに限らず、甘いもの大好きなので
仕事の合間に、チョコ等つまんだりします。
脳に栄養を送ってるんだい。と言い訳しつつ。

仕事中は、頭の中でずーっと、ずーっと考えてる訳ですよ。
時折、ノートに書き付けたり、パソコンに打ち込んだりしつつ。
で、ずーっとずーっと頭の中で練り上げていったものを
シナリオなり企画書なりに落としこんでいくんですが
そういう時に気をつけなきゃいけないのが
初見でわかるようにする事です。

初めて読む人がわかるように書くのは意外と難しいんですね。
自分の中でアイデアを練る時間が長かった場合は特に、です。

ものすごく練り込んで、これは面白くなるぞと思っても、
できあがったものをプロデューサーなり監督なりに読んでもらうと
「これ、どういう意味?」とか、質問攻めにあったりします。

自分の中では練り込んで消化してある事柄でも、
初見の人には、そこへ辿り着いた過程がわからないので
筋道立たないものを読んでる気になってしまいます。

宮本監督には色々教わりましたが
初めの頃、散々言われました。初見の人がわかるように書け!と。
そりゃそうですよね。 
観客、視聴者は初見なんですから。 
それだけでなく、スタッフやキャストが初見でわからなきゃ
誰もその作品に参加してくれません。

かといって説明が過ぎると面白くなくなっちゃいますし
難しい所なんですねぇ。

説明台詞が多いのは下手な脚本の典型ですが
ついつい、やりがちな失敗ではあります。
そこら辺の対処法は、シナリオ作法四十八章にありますので
興味のある方は読んでみて下さい。

   

(次回の記事で説明台詞について書きましたので、そちらもどうぞご覧ください)

さて、前回ロールケーキを「半分こ」する際に
成長の跡を見せた息子ですが、
お風呂の後は、いつまでも裸ん坊でいたりします。
ようやくパジャマを着たと思っても
ボタンを留めずにお腹全開だったりします。
しかし、こないだゴロゴロとカミナリが鳴ったんですね。
すると息子は、いそいそとボタンをしめて
なおかつ、ぎゅっとお腹を抑えてます。
どしたの?
「カミナリさまが怖いから」
おへそ取られないように、だそうです。
かわいいのぉ。


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プロットと提灯記事 [シナリオ作法]

前回、企画書の為のプロット作りをしていると書きましたが、
シナリオスクールに通ったり
18000円払って企画書講座を受講する気がない、という人から
何か参考になる本はないですか?と質問されました。
… 。
自力で探せ!

と、思いましたが、私もオニじゃありませんので
私が読んで良かったものを紹介しました。
もしかしたら、他にも同じ様に知りたがってる人がいるかもしれないと
思いましたので、ここで紹介する事にします。
以前にも登場しましたけど、
笠原和夫さん著「映画はやくざなり」
   


この本の「脚本執筆前の工程」部分が、
プロット作りに役立つんではないでしょうか。
コンセプトの検討に始まり、テーマの設定やキャラの創造、そして
プロット作りは2000字で、という具体的なアドバイスまで、
7つの項目で脚本執筆前の工程について言及されてます。
興味のある人は読んでみてください。

私はちょっと変則的に脚本家の世界に入ったものですから
プロットライターとして何年か修行したという経験がありません。
で、最初の企画書を宮本監督に提出した後に、このままじゃいかんなと。
どうしたもんかと思いまして、自主練をする事にしました。

どうするかと言いますと、
何度観ても面白い!という作品をシーンごとに書き写すんです。
台詞の一字一句まで全部、ではなくて要約で大丈夫。
台詞と行動の要約を書き留めて、ストーリーの流れを掴むワケです。

で、その後に、ブロックごとに更に要約してみましょう。
すると、あ、ここが転換点なんだな、とか
主人公が立ち直る為のストロークはどれくらいあればいいのか、
とか色々わかってきます。

更に、これを元に自分なりに企画書のプロットを書いてみるんですね。
この作業を何回かすると、あら不思議。
プロット作りもサクサクできるようになりました。

できれば時間もメモしといた方がいいです。
 12分:主人公が友人の家を訪ねる。
 68分:主人公が勇者の剣を探し当てる。 …てな感じで。
これは実際に脚本を書く時のページ配分の目安の参考になります。

映画「サイドウェイズ」の時も、
オリジナル版のDVDをペンを片手に観まして、
プロット構成を把握する事から始めました。
サラフォルニア.JPG
なので、台詞は全て変えてありますが
構成をなるべくオリジナルから逸脱しないようにする事で
全く別の映画じゃん!というリメイクにはなってないと思います。
そこら辺は、ご自分の目で確かめてみて下さいね。

iTunesでも観られますよ。
レンタルもありますので、お気軽にどうぞ「サイドウェイズ」
Amazonビデオでもご覧になれます→ Amazonビデオ「サイドウェイズ」

は?! これはステマ?! 提灯記事?!

色々と書きましたが、参考にする人はいるのか?
という疑問が出て来ました。
が、
ここまで書いちゃったんで、このまま載せます。

でも、近道はシナリオスクールに通う事だと思いますよ。

私は行った事ないですけど。
取材には行きたいですけど。

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対応力と ピクサー [シナリオ作法]

前回、対応力の事を書きました。

脚本家として脚本を書く際には、
様々な要求に対応していかなくてはいけません。

それは原作サイドからの要求だったり、スポンサーサイドだったり
はたまた演者さんサイドだったりと色々です。
各方面から要求があり、勿論、プロデューサーや監督からも
あれこれと言われる訳です。

そういうアレコレの要求を簡単に聞いちゃうから
ダメな作品ができるんだよ!
と、言う方もいらっしゃいます。

んが。
しかし、そういう要求を(ある程度)聞いた上で、
面白く仕上げるのが、作家の腕なんだと思ってます。
… 。
私の書いたものがそうなってるかどうかは
皆さんの判断に任せるとしてですね…、
私の心には棚があるので、ちょっと、一旦、
私の力量云々についてはその棚に置いてですね…

例えば、文豪ドストエフスキーは、読者受けを狙って
主人公の散歩コースを当初の設定から変えたりしたそうです。
その他にも、出版社の意向を酌み、あれこれ反映させたとか。
しかし、作品はきちんと面白いものになり
100年経っても、その芸術性は色あせる事はありません。

それにしたって、何でもホイホイ言う事聞いてたら、
やっぱり、ろくでもない脚本になるんじゃないの?

確かに。

それに対する答えは、
脚本家ひとりひとり、違うと思います。

そのひとつの答えが、
笠原和夫さんの「映画はやくざなり」に著述されております。


物語の根幹に関わる事でない限りは、妥協しても構わない。
しかし、作家としての大事なものを失ってはいけない
てな事が書いてあるような、ないような。
どうぞ皆さんで確認してみてください。

ちなみに私は、物語の根幹に関わらなければ
色んな要求を受けとめる派です。
作品が面白くなるなら、幾らでも直しには応じます。
面白いのが、正義です。

しかし、作家としての大切なものを曲げた事はないと思います。
どうしてもこりゃダメだ、という企画の時、
きちんと理由を説明して、撤退した事があります。

笠原和夫さんの本にも、同じ様な事が書いてあったので、
ああ、あれで良かったんだな。と思いました。
笠原さんの場合、ケンカを吹っかけて撤退を余儀なくさせるそうです。
凄いです。

知り合いのプロデューサーに、
言われただけの事をこなす人は「ライター」としか呼びません、
という方がいます。
言われた事をそのままシナリオにしてくれる人は便利だけれど、
そういう人はライターと呼び、「作家」「脚本家」とは呼ばないそうです。

なので、私は初めて名刺を作る時、肩書きを「脚本家」にしました。
そのプロデューサーが、
私の事を「脚本家」「作家」と呼ぶ日が来るように、
日々、奮闘しております。

で、企画書作りや、脚本執筆の傍ら、
合間をみてはプロット研究をしてるんですが
次、研究してみたいのは、これ、
グリーンメン.jpg

かーみーさーまー
トイストーリーです。
この写真は、息子と粘土遊びしてる時に作ったもの。

ピクサー作品の脚本はよくできているのが多いですよね。
勉強になります。


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絵本タイムと 対応力 [シナリオ作法]

まだ、息子が ちぃちゃい頃には
絵柄を見たり、簡単なお話だけの絵本を読んでいました。
それですと、あっという間に読み終わりますので
なかなか寝ついてくれないんですよね。

なので、2・3歳の頃は、おてて絵本をしていました。
子供番組で、そういうコーナーがあるんですよね。
こう、手をパンパンと合わせて、絵本の様に手を開くんです。
で、自分で考えたお話を聞かせる、というもの。

私もよく息子にせがまれて
寝る前に、おてて絵本を読んでいました。
読んでいた。って言っても、これ即興でお話作るワケですから
結構、頭を使います。ギャラが発生してもいいと思います。

今日は、何のお話がいいの?と、聞いて
「んー、と 僕が出て、お母さんも出て、あと、恐竜も出して」
とかリクエストを聞いて、お話をします。
途中で、
「あ、やっぱりピクニックに行くんだよ!
  それと保育園の友達も来て、恐竜に捕まったよ!どうする?」
とか、別要素が加わってきます。

恐竜や怪獣を出すと、大抵、戦い場面を出す事になるので
妻には「寝る前に興奮しちゃうからダメ!」
と、私が叱られます。

なので、何とかファンタジー路線に物語を進めようとするんですが
のんびりした展開に飽きた息子が、
「そこに怪獣のねぇ、レッドキングが出て来たよ!」
        レッドキング.jpg
と、始めるので、また修正が大変です。
……、
ん?
これ、何だか脚本の打ち合わせみたいです。
いつの間にか、息子から対応力を鍛えられていたようですね。

なので「私は屈しない」の本打ちの際には役立ちました。
実際の事件をベースにしたドラマですので
色々と調整する事が多かったんですが
息子のおかげで、すばやく対応できました。

仁義なき戦い」や「 日本侠客伝 」などで有名な
脚本家・笠原和夫が、その著作で、
「直しには応じろ」
プロとアマの違いは、そこだ。
と、仰ってます。

なるほど。

プロデューサーの要望にきっちり対応する力、必要ですよねぇ。
しかし、息子は、プロデューサーにでもなるつもりなんでしょうか。

ちなみに現在は、ひらがなを読めるようになってきたので
息子は、自分で絵本を読もうと頑張っております。
怪傑ゾロリの他に、お気に入りは、この「みけねこキャラコ」。
   

私も、この本、大好きです。


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禁煙と取材 [シナリオ作法]

禁煙したワケじゃないけど
煙草を吸わなくなって何年か経ちました。
ふと数えてみたら、もう7年目に突入ですよ。
実は、サイドウェイズのシナハンがきっかけです。

アメリカは禁煙とかうるさいんだろうなぁ、
飛行機乗ってる間も吸えないし…
だったら、ちょっとその前から吸わないのに慣れとくか。
そんな感じでした。

サイドウェイズ自体は2009年公開でしたが
シナリオを作る作業は随分前からやってたんですよねぇ。

ちなみにサイドウェイズはiTunesでもご覧になる事が
できます。こちらからどうぞ。
Amazonビデオからも視聴できるようになりました
こちらからどうぞ→ Amazonビデオ「サイドウェイズ」

では、閑話休題
いや、そもそも閑話だらけなんですけどね

シナハンとは、シナリオのためのロケハンの事です。
実際、現地に行ってみる事は大事でありまして
なるほど、行って良かったなと思いました。
ナパの町の規模とか様子とかワインテイスティングの雰囲気とか、
日本にいて資料を集めても、中々実感が伴いませんわな。
執筆中はその取材した時の事を忘れない様に
ナパ・バレーの風景写真を机の前に貼ってました。

シナハンの際には、道雄と大介たち同様、
ロサンゼルスからナパ・バレーまでドライブしましたよ。
色々大変でしたが、面白かったです。
その時のエピソードを幾つか盛り込んだんですが
本打ちの段階でほぼカットでした。ははは。
いいんです。一緒に行ったプロデューサーが笑ってくれたんで。
でも、尺の関係で、カットです。しょうがない。

以前、別の作品で脚本協力をした時にも
やっぱり色々と取材したりインタビューしたりして
あれやこれやを、せっかくだからと脚本の中に入れたがったんですね。
そしたら、ちょっと、まとまんなくてですね、中々書けずにいたら
監督に言われました。
取材した事を勿体無いからって全部入れようとすんなって。
確かに。

素材そのまま入れてもツギハギ感が目立ちますもんね。
一旦、消化させてから脚本に反映させないといけないワケです。
難しいスなぁ。

でも、やっぱり取材はした方が断然、いいです。
現地に行ってみるだけでも違いますよ。


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絵になること と 城戸賞  [シナリオ作法]

前回、絵になることについて書きましたが
脚本を書く時の基本として
映像化できない事を書くな、というのがあります。

但し、ト書きにおいて「明るく笑う」と書くか
「つらい気持ちを押し隠し、明るく笑う」と書くかは
その時の状況に応じて、だと思います。

私は本来、ト書きは簡素にして
あとは監督と役者さんに委ねたいタイプです。
思った通りのものがピタッと来ても嬉しいですが、
思いもよらない画作りだったり演技が見れると嬉しくなります。

が、色々とお仕事していくなかで、ある程度の描写は必要
という事で、かなりト書きを書く様になりました。
一度、役者さんの要望で、
ここはこんな心情だとわかるように書いてくれと言われ
判り易く書いた事があります。
その時は、別のプロデューサーが脚本を読み、
ここまで書き込むの?と笑われてしまいました。

かと思うと「ここまで指定されたら、
俺の仕事がなくなるじゃん」という監督もいるので、難しいです。
程よい感じのト書きを書くには、
経験を重ねるしかないという事でしょうかね。

さてさて、城戸賞ホームページにて
最終審査選考作品の公開が始まりました。
こちらからどうぞ。

  *** 「ハムラビ」のPDF公開は終了しました ***

どんな内容か知りたい方は、こちらからどうぞ
お問い合わせがある方は、左のメールフォームからご連絡ください。

  *** 以下の文章はブログ公開当時のものです ***

応募脚本292編という文字の下に執筆者の表があります。
その丁度、真ん中に「ハムラビ」と私の名前「上杉隆之」があります。
名前の右の「作品PDF」をクリックしたら読めると思います。

次回の城戸賞がアップされるまでは
PDFファイルでご覧になれます。
なんだかんだと、一年なんてあっという間ですので
思い立ったが吉日。是非、ご覧ください。

勿論、私の「ハムラビ」だけでなく
何人もの方の作品が公開されてますので
合わせて読んで頂きたく思います。

映連の皆様のお心遣い、感謝しております。


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仕事始めと 絵になること [シナリオ作法]

先日、仕事始めだったんですが
それと同時に息子も保育園に再び通い始めました。
長らく休みだったので、行くのをグズるかなと思ったんですが
そんな事もなく、元気に登園できてホッとしました。
それでも、彼なりに我慢してて、ホントは寂しいのを
頑張って登園してくれてるんだろうな、と思います。
なので、帰宅したらなるべく沢山遊んであげようと父は思う訳です。

そんな思いは30分くらいで、くじけてしまいますけどね…
子供というのはネジ巻きたてなので運動量がハンパない。
それにつきあおうとすると、1時間もしたらヘトヘトですわ。
なので最近は、帰宅前に薬局でドリンク剤飲んでます。

さて、もうそろそろ、城戸賞ホームページにて「ハムラビ」が公開予定です。
一人でも多くの方に読んでもらいたいと思ってますが、
先日のキネマ旬報の選評について、もうひとつお話しを。

映像化の意識に欠けているという意見があったとの事ですが、
おそらく、台詞の多さを指しているんでしょう。
しかし、その指摘は作品の本質をまるで理解してない人の意見です。
死刑制度の是非について、観客へ判断材料を提示するためにも
必要な分量のセリフですので、たとえ「理屈に終始」と言われようが、
死刑廃止論者の理論武装と、死刑存置派の連続殺人犯との対決では
言葉で戦わないといけないんです。

そこら辺は、説明台詞ではなくトライとリアクションにしてますし、
「画変わり」にも配慮されてるので、作品化した時にも問題ありません。
後半の死刑制度についての台詞の応酬シーンも、
状況に緊迫感を与えてるので
台詞が多いと言えども、「絵になる」作りになってます。

脚本を読んだ時に、パッと見の台詞の多さだけが印象に残り
その背景の状況にまで気が回らないという事は、よくあります。
身もふたもない言い方をすれば、想像力が欠如してるか
センスがない人というのは、そうなりがちです。
字面しか判断できないから完成作品が想像できないんですね。
映画として一連の流れの中で、シーンを想像してみれば、
台詞が多くても成立するというのは、わかって頂けるはずです。

例え動きがないシーンでも、緊迫感があることで「絵になる」というのは
舟橋和郎「シナリオ作法四十八章」で教わりました。
「絵になる」映像の条件とは、
・動きがあること
・美しいこと、或いは詩的であること
・観客が見たいと望むものがあること
・緊迫感があること
の四つがあるそうです。

あと「画変わり」というのは
台詞のやりとりが続くなど、動きが少ない時、
見てる人が退屈しないように、場所を変える事を言います。

例えばインタビューシーンがあったなら、後半の受け答えを
別の場所、別のインタビュアーにするなどしてシーンを分けます。
すると、目先が変わって、退屈しないという訳です。

動きがあったとしても、長く続くと飽きてしまいますので
やはり「画変わり」した方がいいようです。
戦闘シーンばかり続いてもダレるので、
戦う場所を変えていくだとか
時々、別の場所での出来事を挟んだ方が、戦闘シーンも引き立ちます。

さて、長々と書いてしまいましたが、
今回書いたように、退屈しない脚本になってるかどうか
城戸賞ホームページで公開されましたら確認してみてください。
―(追記)―
 公開期間は終わりましたが
 アマゾンキンドルにて、販売しておりますので
 ご興味のある方は、こちらから ご購入ください。よろしくお願い致します。 
 キンドルアンリミテッドの方なら無料で読むことができますので、是非どうぞ。

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シノプシスと参考図書 [シナリオ作法]

前回、シノプシスという言葉が出て来ましたが
シナリオ用語というのは難しくて
あらすじとシノプシスとプロットとどう違うんですか?
なんて、聞かれたらどうしよう…と震えておりました。
幸いどなたからも質問がなくてホッとしてます。

お仕事以外でも、
左サイドバーの下の方に、メールフォームがありますので、
それを使って、お問い合わせができます。
電話番号と住所は必須項目ではありませんので
どうぞお気軽に。

もちろん、お仕事のお問い合わせも、お待ちしてます。

さて、あらすじとシノプシス、ですが
結局、シノプシスって言った方がカッコいいから、そう言ってるだけで
シノプシスとは、あらすじの事です。

ただ「あらすじ」というと、
既に一本完成した脚本を要約したもの、というイメージがあるので、
前回の文脈で使うのは、ちょっと引っかかるかなぁ、と思い
シノプシスという言葉にしました。
でもまぁ、企画書の見出しには「あらすじ」って書いたんですけどね。

ペラ1枚の分量なので、シナリオスクール的には
それはトリートメントだ、とか指摘されるのかもしれません。
もう、そうなると何がなんだか、わかりませんがな。

昔ながらの「あらすじ」「大バコ」「小バコ」で統一しようよ、とか思います。
なんか職人ぽくていいですよね。
シナリオライターって言うよりも、脚本家って響きの方が好きです。

「大バコ」「小バコ」に関しては、
舟橋和郎さんの「シナリオ作法四十八章」をお読みくださると
より詳しくわかると思います。

まだ脚本を書き始める前に、図書館で借りて
映画好きの読者として読んだんですが、とても面白かったです。
何年かのちに脚本を書く様になり、
これは手元に置いとかないと!と、思い
紀伊国屋に走り、購入しました。
会話のトライとアクションなんかは、今でも肝に銘じてます。
お勧め参考図書です。


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